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日大生産工学部の永井教授、「LSR工法」を企業と共同開発

鉄道高架橋補修工事でLSR 工法で施工する様子

鉄道高架橋補修工事でLSR 工法で施工する様子

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 日本大学生産工学部(習志野市泉町1)は9月24日、永井香織教授が、レーザー照射による現場用鉄筋ケレン技術「LSR工法」を企業と共同開発したことを発表した。

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 LSR工法は、パルスレーザーによってさびの除去とともに、鉄筋に付着しているモルタルをもろくし、最終的にカップブラシで仕上げる工法。同大レーザープラズマ先進応用リサーチ副センター長である永井教授は、飛島建設(東京都港区)、PCL(京都府久御山町)、光響(京都府京都市)と共同で研究・開発し、現場での適用を始めた。

 従来、鉄筋の腐食によるひび割れや浮きが発生したコンクリート構造物に対しては、劣化部分をはつり落とし、除去した部分を修復する断面修復工法が多く使われてきた。この工法は作業工程に腐食した鉄筋のさびを除去(以下、ケレン)し、防さび剤を塗布する工程がある。固定足場を設置し施工箇所周辺を防音シートで覆った状態での施工が可能であれば、電動工具を用いて行うが、施工箇所を防音シートで覆うことが難しい場合、特に、住宅や店舗が密集する地域では、施工時の騒音や粉じんが問題となっていた。

 そこで、周辺環境や作業環境の改善を目的として、橋梁(きょうりょう)の塗り替え工事などで実績があるレーザー光を用いて塗膜やさびを除去する技術に着目。サンドブラスト、ジェットタガネやカップブラシなどの代替としてレーザー照射によるケレンに関する研究開発を共同で進めてきた。その研究開発の成果であるLSR工法は、パルスレーザーによってさびの除去とともに、鉄筋に付着しているモルタルを弱くし、最終的にカップブラシで仕上げる工法。これにより鉄筋ケレンの騒音、粉じんの発生を低減でき、周辺環境及び作業環境の向上が可能となった。

 開発後、鉄道高架橋における補修工事に適用し、安全性、周辺環境や作業環境が大幅に向上することを確認できたという。

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