習志野市唯一の「パトランナー」松岡正幸さんの活動が9月で6年目を迎えた。
市内に在住の松岡さんは、真っ赤なTシャツを着て主に夜間や子どもたちの登下校時間にパトロールランをしている。
街を走ってパトロールするパトランは市民が主体的に進める活動で、2013年1月に福岡県宗像市でスタート。現在は44都道府県でメンバーが活動しており、全国のメンバー数は約3000人。パトランは、パトロール活動、道路や建物などのインフラ点検、困っている人のサポート、環境美化、啓発活動を主な活動内容としている。
9月4日は実籾小学校(習志野市実籾1)の通学時間帯に合わせ、通学時間帯に車両通行止めになる学校の前の道路を往復し、ごみを拾い、小学生にあいさつしながら走った。その後は、全国の通学時間帯見守りパトラン仲間とオンラインで報告会を行った。
近所に住む吉田謙二さんは「この道は混雑時の抜け道になっているため、車両通行止めの時間帯でも通行する車がいる。松岡さんが走ってくれているときは進入する車両は少なく、抑止力になっている」と話す。
実籾小学校の井上聡子校長は「学校だけでは目が届かない部分もあるので、地域の方が子どもたちの安全を守ってくれるのはとてもありがたい。子どもたちも松岡さんを見つけると元気にあいさつしており、今日もその姿が見られてうれしい」とも。
松岡さんは2019年、健康促進のためにランニングを始め、「せっかく走るのであれば、何か役に立つことはできないか」と考えていた矢先に、ボランティア活動先で真っ赤なTシャツを見てパトランを知った。実際にパトランナーとして走り出した当初は、声がかけづらい、あいさつをしても返ってこないなどで気持ちが重くなり、健康維持で始めたはずのランニングが、Tシャツを着ることでつらく感じた時期もあったという。
その後、パトランのイベントに参加し、数十人で走るとみんながあいさつしてくれることを経験し、自身の物事の捉え方を見直すことで、つらさを脱却。今は、活動中は一人でも、全国のパトランナーとつながっていることを感じながら活動を続けているという。
今後について、「まずは自分自身がこの活動を続けること。大きな目標としては大阪マラソンチャリティーランナーとして昨年に引き続き参加すること。次に自分を通してパトランを知ってもらい、一人でもメンバーが増えれば。仲間と分担して、地域全体の安全を守れることが理想」と意気込みを見せる。