
習志野ファームベチカ(習志野市芝園2)で6月24日、「地下植物工場見学会」が開催された。
同施設は伊東電機社が運営する地下10メートルの場所にあるセル式モジュール型植物工場で、工場内ではリーフレタスとベビーリーフを育てている。コンベヤー用モーターローラーなどの製品を手がける同社の搬送技術とIoT技術を駆使し、公立大学との1年3カ月にわたる共同研究を通じて実現した。1995(平成7)年、千葉県が「幕張新都心計画」のライフライン用で建設した地下共同溝のうち、供用されていない習志野市側の構内空間を有効活用する形で2017(平成29)年9月に開設した。
見学会は今回で2回目。県内外から見学の申し込みがあったという。見学者は地上の「習志野ファーム検証棟」で、地下植物工場やレタスが育つまでの工程についての説明を受けた後、地下植物工場を見学した。地下へは階段で下りることができ、見学者からは「ドキドキする」「涼しい」などの声が聞かれた。共同溝内の環境は年間を通して19度プラスマイナス3度、湿度は30~99%だという。
工場では、実際にレタスが栽培棚から収穫作業場へ自動的に搬送される工程を見学した。既に収穫作業場から栽培棚までの搬送と栽培工程の自動化は実現しており、収穫機などの開発を進めている。将来、植物工場の全自動化を実現する予定だという。
神奈川県から見学に訪れた佐野さんは「たまたま雑誌で地下工場のことを知り、今回の見学会に応募した」と話し、「とてもわくわくした。(今回の見学会で)このような取り組みが素晴らしい事だと分かった。植物工場が主流になればと思ったのと、10年後、20年後さらに自動化が進むことを想像すると、さらにわくわくする」と振り返る。
施設管理責任者の小柳俊之さんは「工場というと機械的なイメージがあると思うが、植物が相手なので思い通りにいかないこともある。温度や湿度を管理した地下の安定した環境でも四季があり、この環境でいかにいいものを作るかを考えている」と話す。
同施設で収穫されたリーフレタス、ベビーリーフは毎週金曜10時~14時、併設する直売所で販売する。カインズ幕張店(芝園1)、わくわく広場イオンモール幕張新都心エキマエ店(千葉市美浜区)でも扱う。