
習志野で5年にわたり地域住民の目を楽しませてきた織戸菜園(習志野市藤崎1)の「ひまわり回廊」が7月27日で閉園した。
5年前、織戸さん夫婦が鷺沼で始めた「ひまわり回廊」の取り組み。「鷺沼特定土地区画整理事業」により移転を余儀なくされた後、場所を藤崎に移し、昨年から「藤崎ひまわり回廊」と名前を変え新天地でも多くの来訪者を迎えていた。
地域の子どもたちや通行人の笑顔のために育ててきたというヒマワリ畑。織戸淳也さんは「半期の仕事を終えた自分たちへのご褒美のような気持ちで始めた。地域の方が喜んでくれる姿を見るのがうれしかった」と振り返る。SNSを通じ多くの来訪者を迎える結果となり、元はごく身近な地域の人々に向けた静かな営みだった「ひまわり回廊」はやがて全国から人が押し寄せるようになったという。
写真映えするスポットとしても話題となり、多くの家族連れや写真愛好家も訪れた。その反響の大きさが予想を超え、近隣住民への配慮や安全対策の面で限界を迎えることになった。駐車場不足、無断撮影やごみの投棄といったマナーの問題、さらには住宅街という立地の事情も重なり、やむを得ず今年で幕を閉じる判断となった。
取材では、ヒマワリが地域にもたらした明るさと交流機会への感謝の声が多く聞かれ、「続けられるものなら続けたい」と織戸さんも残念がる。今後の実現に向けては、行政との連携や新たな場所の確保など越えるべき課題も多い。今年も織戸菜園を訪れた人のSNSには、美しいヒマワリと共に、そこに込められた思いへの共感がつづられている。目に見えない多くの笑顔と共に、織戸菜園のヒマワリは心に残る風景として静かに幕を下ろした。