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習志野実籾和田北遺跡で「発掘調査現場見学会」 発掘された勾玉など展示

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 実籾和田北遺跡(習志野市実籾1)で9月6日、「発掘調査現場見学会」が行われた。主催は、原史文化研究所と習志野市教育委員会。

現地に設置されたテント内では出土したものを展示

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 同遺跡では昨年8月、実籾1丁目における福祉施設の建設計画に伴う調査の過程で縄文土器が採集された。これをきっかけに同11月に試掘したところ、古墳時代の竪穴建物跡6軒、掘っ立て柱(ほったてばしら)建物跡3棟、中世の墓所2基が発見されたほか、古代の祭祀(さいし)に用いられた石製模造品(勾玉、剣、鏡を石で模造したもの)が出土した。

 遺跡は古墳時代後期から終末期の遺跡であることが判明し、千葉県教育委員会により「実籾和田北遺跡」として新規登録された。このほか同所では、古墳時代中期(5世紀)の玉造り工房跡6軒が発見されており、滑石などの柔らかい石を砕き磨いて作ったビーズや勾玉(まがたま)状の玉類の製品・製作途中のものなどが多数出土している。

 見学会当日は、前日の台風から一転、じりじりと肌を焼くような晴天の下、徒歩や自転車で多くの人が見学に訪れた。集まった順に参加者10人程度を1グループとして、同研究所のスタッフの説明を受けながら、遺跡を見学した。

 習志野在住の男性は「まさかこんな近所から、こんなものが出てくるなんてびっくりした。実際に見に来てみたら、そのものが浮かび上がってくるくらい丁寧に説明してもらえて、本当にここで生活していたのだなと思うと、わくわくした」と話していた。

 同研究所のスタッフは「今が遺跡としてはちょうど見頃のため、見学会を行った。地元の人の関心が高く、車で来られない場所なのに、こんなにたくさんの人が来てくれてありがたい。昨日の雨で住居跡いっぱいまで水がたまってしまったため心配していたが、一晩で水が引いて良かった」と話す。

 見学会の開催予定はもうないが、当面は見学に立ち寄った人に個別対応する予定だという。

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