日本大学図書館生産工学部分館(習志野市泉町1)が6月7日、「DOCOMOMO Japan(ドコモモジャパン)」選定建築物に選ばれた。
「ドコモモ(The Documentation and Conservation of buildings, sites and neighborhoods of the Modem Movementの略称)」は、モダン・ムーブメント(近代運動)の推進に寄与した建築の歴史や文化の重要性を訴え、記録や保存に関する活動を展開する国際的学術組織。日本支部である「ドコモモジャパン」は、これまでに264件の建築を選定し、2022年度新たに16件の建築を加えた。その中で同館が選定された。
同館は1973(昭和48年)10月に竣工し、一般教育図書や工科系学部に関連する専門図書、学術雑誌など合わせて約24万冊を所蔵する。
同大生産工学部の澤野利章学部長は「本建築は、建築家・大高正人と構造建築家・木村俊彦が取り組んだ意欲作で、当時、世界的にも最先端だったプレファブリーケーション(PC)部材の可能性を最大限に生かした空中加構形式を採用している唯一の現存建築物。柱・梁(はり)が特徴的なその外観は、伝統的な日本の古建築を連想させる」と話す。
受賞については、「ドコモモジャパン選定建築には、選定後に世界遺産に登録された国立西洋美術館も含まれており、本建築が習志野の建築遺産として国境を超えた建築家から関心が集まるのでは」と期待を込める。「本建築は今年で50周年を迎えるので、今後も学生たちの学びの場として、そして世代を超えて学友が集う場として生き続けてほしい。習志野の建築遺産として多くの市民の皆さんにも愛してもらえたら」とも。