習志野市内で唯一の天然記念物「大イチョウ」(習志野市藤崎1)が現在、見頃を迎えている。
藤崎の大イチョウは、1597年に正福寺(藤崎1)境内に植樹され、以来、藤崎小学校(藤崎4)の校歌や授業に用いる副読本「わたしたちの習志野市」、市のオリジナルかるた「習志野かるた」でも取り上げられるなど、さまざまな場面で親しまれてきた。
樹高は約20メートル、目通り幹囲約4メートル、根回り約11メートル、樹齢は約400年。元々、正福寺境内の中心にあったが、昭和30年代に市道が開通されたことで境内が2つに分かれ、大イチョウは道路上に残る形となっている。
教育委員会文化財係の藤本光徳さんは「道路の開通によって歴史的なものが移転させられるのはよくあること。そんな中、大イチョウはちょうど歩道の位置に残され、今も通りがかりに見ることができる。日常に溶け込んだ、歴史的なシンボルの一つとして親しんでもらえたら」と話す。
教育委員会文化財係長の松本潤さんは「大イチョウは、地域のみんなで大切に守ってきた存在。習志野市を400年間も見守ってくれているので、これからも元気な姿であり続けてほしい」と期待を込める。
大イチョウ横の説明看板で歴史の変遷を知ることができる。見頃は12月下旬まで。