習志野市の高山写真館(習志野市津田沼1)の萩原和子さんが、3月で勤続30年を迎える。
同店は1987(昭和62)年2月17日に設立され、今年で37年目を迎えた老舗写真館。写真の現像や証明写真作成など写真館の通常業務以外に、店頭で写真を展示できるギャラリーも運営している。
萩原さんは37歳のとき、子どもが独立したのをきっかけに会計を学び始め、40歳で習志野の会計事務所へ就職。10年勤務し、50歳で同店の会計として入社した。会計以外にも朝の開店準備や清掃、受付を担当している。
3月で勤続30年、8月で80歳を迎える萩原さんは地域では「写真館の名物受付」として知られ、業務の傍ら、顔を見に来たり、時には差し入れを持ってくる常連と話すなどして日々過ごしている。
館長の本宮史雄さんは「高山写真館が続いているのは間違いなく萩原さんのおかげ。私が高山写真館で働き始めたとき、1年先輩だったのが萩原さん。2022年に館長になってからも技術者の私が仕事に集中できるよう、いろいろ助けてくれて感謝している。80歳で正社員として働いていることはそれだけで同世代に勇気を与えることだと思うので、体に気を付けて、ぜひ生涯現役で頑張ってほしい」とエールを送る。
萩原さんは「私がここで働き始めた時は、店の売り上げが好調で忙しく、会計に手が回っていない状況だったので、先代館長と相談し、時には、けんかしながらも整理して経理を整えた。館長は写真館としての腕は一流だが、頑固なところがあって、店の宣伝や自分の実力をひけらかすようなことはしない人だった。私が代わりに宣伝しないといけないと思い、いろいろ話していたら、悩み相談にも乗るようになって気が付いたら30年たっていた。当時40歳近い私に仕事を教えてくれた事務所の人たち、先代館長に現館長、そして何より店に来てくれる人に感謝している。体のバランスを取りながら、これからもここで働いていければ」と話す。