旧習志野文化ホール(習志野市谷津1)の建物内部をデータ化した「旧習志野文化ホール デジタルジオラマ」の映像が9月30日、習志野市公式ユーチューブチャンネルで公開された。
旧習志野文化ホールのデジタルジオラマ 市公式ユーチューブで公開
昨年4月より休館し、再建設が予定されている同ホール。1978(昭和53)年に開館して以来、「文化の殿堂」として、習志野高校吹奏楽部をはじめ、さまざまなアーティストのコンサートなどが催されてきた。3512本のパイプを備えた日本の公共施設で初めて設置された大型パイプオルガンや、紅白のクジャクの絵が描かれた緞帳(どんちょう)が象徴的で、40年あまりの間、親しまれてきた。現在、パイプオルガンは再設置を目指しクラウドファンディングを行い、注目を集めている。
デジタルジオラマの取り組みは、有志の民間の個人事業者と市が協力して実現。地上型レーザースキャナーで計測した3D点群とドローン、カメラを用いた高解像度の画像をソフトウエア上で解析・合成して制作した。点群と画像が組み合わさったことにより精密なデータで、建築記録や防災計画のための映像としても利用できるほか、人物を合成した映像の制作、歩いて見て回る映像など、エンターテインメントでの利用もできるのが特徴。
ユーチューブに公開された動画では、習志野文化ホールの中を見て回る映像の中で、客席の最上部から見たステージやパイプオルガン、ステージ上から見た客席、ステージ裏、緞帳(どんちょう)の細部まで見られる。
ドローンを用いたテクスチャー画像撮影を担当した、有志の民間の個人事業者の一人で「Sky One」の田中克治さんは「デジタルジオラマを使えば、歴史の授業など、教育の現場でも最先端の技術を用いた体験が可能になる。その場に行かなくても、まるでその場所にいるような体験ができるので、教育のアクセントになるのでは」と話す。「360度、どこからでも見渡すことができる映像。新しい文化ホールができた時に、この映像を見てノスタルジックに感じたり、過去と現在を比較してみたり、思い出話の種になれば」とも。