習志野の市民プラザ大久保(習志野市大久保4)で1月21日、「習志野にもあったロシア兵・ドイツ兵捕虜収容所特別講演会」が開催され、約60人が参加した。主催は習志野市商店会連合会地域活性化委員会。
初めに、「大人のピアノサークル」主宰の小島雅美さんが、ベートーベンのメドレーやビゼーのカルメン前奏曲など、ドイツの捕虜が収容所で演奏していたとされる曲目のピアノ演奏を披露した。
講演では、習志野自衛隊空挺団史料館の横田浩映館長が明治時代の軍服を着用し、捕虜収容所の概要や生活の様子などを紹介した。習志野捕虜収容所は国内の他の収容所とは異なり、元々捕虜の収容を目的として造られたため、全国7万2000人の捕虜のうち約1万5000人を収容した大規模なもの。収容所長だった西郷寅太郎の指示により捕虜は日本兵の食事代よりも2倍の費用をかけるなど、「大変人道的に扱われ好評だった」と話した。「捕虜の生活の自由度が高く、ロシア人捕虜が楽器を演奏する様子や、ドイツ人捕虜が音楽活動やスポーツ等を通じ地域住民との交流があった」とも。地域ブランドである習志野ソーセージは、作り方が同所から伝えられたとされている。
後半は、捕虜収容所を題材とした音楽の演奏を通じ、捕虜と地域住民が心を通わせた創作紙芝居を披露。習志野歴史史料収集家の平岡幸秀さんは、ドイツ兵捕虜の郵便と当時の郵便の量や検閲の様子など紹介した。