習志野のラーメン店「どろそば屋ひろし」(習志野市大久保3)と八千代の「麺や 空と大地」(八千代市)が4月22日にコラボイベントを開催し、支援した被災地からの返礼品を使った限定つけ麺を提供した。
昨年9月23日、台風15号の影響で静岡県清水区の河川が氾濫し住宅家屋が浸水、一部地域で断水が起きるなど住民の日常生活に影響が出た。「どろそば屋ひろし」店主の川島弘さんと「麺や 空と大地」店主の市川勇次さんは、被災地域に飲料水や食料、紙皿や紙コップとなどの使い捨て食器などの救援物資を届けた。支援の返礼として4月、同店に「栄醤油(しょうゆ)醸造」(掛川市)のしょうゆ「TOMOE(ともえ)」が届いた。
このしょうゆは静岡のラーメン店「Noodle Dishes 粋蓮華」「麺創房 LEO」「麺屋 さすけ 本店」が、クラウドファンディングで資金を集め、「栄醤油醸造」に依頼し、材料に丹波産黒大豆を使い、木おけでラーメンのために造られたもの。
同品は、限定メニュー「特製濃厚煮干しつけ麺」(1,500円)に使った。スープは、動物系と40キロの煮干しを使いイベント2日前から両店が別々に仕込み、当日に合わせたものを使用。これに自家製麺を合わせ3種類のチャーシュー、ウズラの煮卵、のり3枚の具を盛り合わせて提供した。
当日は開始時刻(6時)前から行列ができ、終了時間(15時)までに200食弱を提供した。
イベントについて、川島さんは「もともと濃厚煮干しつけ麺でイベントを行う予定だったが、支援した被災地から食べに来た方がお礼として店にしょうゆを届けてくれたので使ってみた。店の常連が朝5時から並んでいたり、しょうゆを届けた方が今日も食べに来てくれたり、これがきっかけでいろいろな人に会えたので本当にやって良かった」と振り返る。
市川さんは「昨年の台風の影響で静岡が被災しているのをニュースで聞き、学生時代に短い間だが静岡にいたこともあり気にしていたところ、川島さんから『支援に行かないか』と声をかけてもらって被災地に支援物資を届けた。その縁で静岡のしょうゆを使ったつけ麺を作ることになったり、1.2キロの麺を完食する方に会えたり、これがイベントだなと感じた。予想よりもたくさん人が来てくれてありがたい」と話す。