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津田沼「珈琲屋からす」が60周年 地元に愛されて3代目

中本さん(左)と次女の千津さん

中本さん(左)と次女の千津さん

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 習志野・津田沼の喫茶店「珈琲(コーヒー)屋からす」(習志野市津田沼5)が9月28日で60周年を迎えた。

ブレンドコーヒー

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 京成津田沼駅から徒歩3分の場所にある同店は1962(昭和37)年創業の喫茶店。現店主・中本千絵さんの両親が市川市にあった「さぼうる」(閉店)で修業後、京成津田沼駅前のテナントビル2階で開店。その後、近辺の土地を購入し自ら店を設計し開店したが、駅前開発の影響で現店舗の場所に移り、同じく自ら設計して開店し、現在に至る。現在は中本さんと次女の大石千津さんの2人で営業している。

 店内は木の柱や赤革の椅子、雑貨、絵画が飾られた昭和の喫茶店を感じさせる内装に仕上げた。1階は赤レンガ、2階は白い壁に木板模様、三角形の屋根で「ヨーロッパの洋館」をイメージさせる外観も特徴。

 メニューはブレンドコーヒー(450円)、コロンビア、ブラジル、モカ(以上500円)ブルーマウンテン(900円)のシングルオリジン、カフェ・オレ、ウインナーコーヒー(以上500円)などのアレンジコーヒーやクリームソーダ(700円)、ケーキ(350円)も用意する。

 店名の由来について、中本さんは「当時喫茶店は『スワン』など鳥の名前を付けた店が多く、父が『それならカラスでいいのでは。八咫烏(ヤタガラス)は神の使いという話がある、縁起もいい』ということで名付けた」とのこと。

 60周年を迎えたことについて、中本さんは「公私ともども、いろいろあったが、私が幼い頃から過ごしてきた大事な場所。両親がこだわって造った店をなくさず、ここまで営業することができた。健康増進法が施行された時、禁煙にしようか迷ったが当店は『喫煙もできてゆっくりできる店』なので、これからも変わらずやっていきたい。60年も営業していると、以前引っ越した人が来店して『まだあるんだね。ここは変わらないでうれしいよ』と言ってくれるのが本当にうれしい」と話す。

 大石さんは「初めはホールを手伝っていただけだったが、数年前からコーヒーをいれるようになり、コーヒー豆、特にブレンドは先代のコンセプトを守りつつ、湯の温度をその度に計ったり、ケトルの代わりに土瓶で沸かしたりと、いれ方を工夫してみたところ、『おいしくなったね』と気づいてくれる人がいてうれしかった。他にSNSを使ったり60周年のTシャツや帽子を作ったりと新しいことに挑戦している毎日。これからも試行錯誤しながら、私が3代目として元気に100年目を迎えたい」と意気込みを見せる。

 営業時間は10時~18時(土曜・祝日=12時30分~17時30分)。日曜定休。

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