張替酒店(習志野市大久保1)が6月16日で現店舗での営業を終了し、大久保駅前に移転する。
同所で1905(明治38)年に創業し、4代にわたり営業している同店。日本酒を中心に店主自ら選んだ焼酎やワインなどがあり、購入した店内の酒を飲むことができる角打ちのスペースもある。
創業119年目の同店は、1901(明治34)年に創設された日本初の騎兵旅団が近くにあったことから陸軍と深い関りがある。犬養毅のペンネーム「木堂」名義の掛け軸や栗林忠道が書いた書、金箔(きんぱく)が使われている天袋や富士山の装飾のガラス戸、庭には防空壕(ごう)の跡、昭和の「ニッポンビール」(=サッポロビールの前身)、「チキンソース」の旧書体の看板があるなど、建物とその背景に歴史的価値があるため、2023年から今年にかけて4回にわたり郷土史家の明里さんや「習志野歴史を語る会」、「わくわく建築」が中心となり特別見学会が開かれた。見学会は毎回、即満員になるほどの人気を集め、市内外から多数の人が見学に訪れた。宮本泰介習志野市長や佐々木秀一市議会議長、小熊隆教育委員長も見学で訪れたこともある。
現在の店舗で営業を終了し移転することについて、店主の張替正信さんは「酒販売の他に、飲めるスペースや見学会など、ここでいろいろやって来たが、この店舗ではいったん終了。新しい店舗では心機一転頑張りたい」と意気込みを見せる。