
「習志野環境フォーラム」が3月15日、「トーセイホテル&セミナー幕張」(習志野市茜浜3)で開催された。
主催は、東京湾沿岸地域で海洋保全活動に携わるNPO法人「さざなみ」、フィールドミュージアム・三番瀬の会。当日は、主催団体のメンバーや大学で海洋環境について研究する教授陣などからの発表があった。3部構成で、「地球環境における海洋と干潟」「健康と環境」をテーマに講演を行い、その後、意見交換が行われた。
同NPOは「習志野の海を守る会」を結成し、海洋保全活動を行っている。併せて、里山保全、環境教育や子どもたちに向けた生活支援などの地域課題にも取り組んでいる。
1部では、海の森づくり推進協会長で日本大学名誉教授でもある堀田健治さんが「地球環境と海の森づくり-豊かな海を守る-」をテーマに講演を行った。海洋生物に必要な「海の森」(藻場)を作る大切さ、大型藻類が果たす役割について説き、習志野の海で藻を増やす取り組みの実現可能性や「海洋牧場構想」について発表した。
このほか、日本大学生産工学部の中村倫明准教授が「あなたの街の海洋マイクロプラスチックごみ問題」というテーマで講演。「そもそもマイクロプラスチックは、どこから来て、どこに存在し、どこへ行くのか」という内容で、「軽くて強くて安い物は、多くがプラスチックでできている」と話し、野ざらしのバケツなどの劣化したプラスチックが強風などで吹かれて海に入ってしまうなど、身近なプラスチック製品がマイクロプラスチックとなり得ることについても言及した。これらの長期的な問題に取り組むため、教育者として子どもたちへも広める活動をしていると言い、「海とウィンウィンになるための方法を考える」と話した。
同NPO代表の島田拓さんは「2回目となる習志野環境フォーラムを無事に終えることができた。今回は身近な東京湾保全の話題から、世界的に関心が高まっている『プラネタリーヘルス』の概念を伝えることができた。私たちが住む街の身近な環境を守る本当の意味を考える、何かヒントが得られるような時間を過ごしていただけたのでは」と振り返る。