習志野のダイニングバー「源七」(習志野市谷津2)で8月9日、落語家・春風亭橋蔵さんによる寄席が開かれた。
橋蔵さんは落語芸術協会所属。1988(昭和63)年生まれ、和歌山県みなべ町出身で、現在は船橋市在住。2014(平成26)年に8代目春風亭柳橋に入門し、前座名「かん橋」を経て、2018(平成30)年4月の2つ目昇進に伴い「橋蔵」となった。習志野エリアでも公演を重ねている。
今回の落語会は、源七の店主・鈴木さんが以前から「店で落語会を開きたい」と考えていたことに加え、橋蔵さんとの縁が重なったことが開催のきっかけだという。当日は店の常連客も受付や会場づくりに回り、地域のつながりを生かした手作りの会となった。
高座では、橋蔵さんが落語に入る前の「まくら」で、扇子と手拭いだけを使う表現や、左右の向きで人物を演じ分ける落語の約束事、寄席文字や座布団の向きにまつわる小話などを交え、初めて落語に触れる来場者にも分かりやすく語りかけた。会場からはたびたび笑いが起こり、店内は終始和やかな雰囲気に包まれた。
終演後、橋蔵さんは「いいお客さんたちの前で、こちらも気持ちよくやらせていただいた」と振り返った。会場についても、「バーカウンターの前でやる特殊なシチュエーション」だとしながら、「公民館などでもこうした形で演じる機会が多いので、いつも通りの感覚でできた」と話した。
来場した常連客の斎藤さん夫婦は、「いつもの店で、いつもの常連さんたちと、普段とは違う雰囲気を楽しめた」と話す。会場についても「思ったより見やすく、店のもともとの雰囲気も落語に合っていた」と、飲食店空間を生かした寄席の可能性に期待を寄せた。
同じく常連の、北習志野駅近くで居酒屋「菊」を運営する小茶俊一さんは「落語は寄席に行かないとなかなか触れる機会が少ない。こうして身近な店で落語に触れられる機会が広がるのはありがたい」と話した。「『源七』は普段から気になっていても入り方が分かりにくい店かもしれない。普段の営業とは違う形で落語会を開き、初めて来た人にも、常連にも心地よい空間を届けたいという店のあり方に合った催しだと感じた」とも。
橋蔵さんは「習志野の方にも来ていただいているので、今後もいろいろな方に会いに来ていただけるよう頑張りたい」とも話した。