「元祖夢の国 谷津遊園 ~東洋一の大遊園地 思い出の写真展~」が現在、市民プラザ大久保(習志野市大久保4)で開催されている。
大久保商店街協同組合の「習志野の歴史を語る会」が中心となり、当時の谷津遊園の写真や資料を展示している。
谷津遊園は1925(大正14)年、京成電気軌道(現、京成電鉄)により、当時の津田沼村(現、習志野市谷津)の塩業試験場跡地を埋め立てて開園した。開園翌年に勧業銀行本店の建物を移築した「楽天府」をシンボルに、植物園や海水プール、ラジウム温泉、馬場、キャンプ場を設け、潮干狩りもできるなど規模を拡大。1931(昭和6)年には当時のスター俳優・阪東妻三郎の「阪東妻三郎プロダクション関東撮影所」が設けられ、1934(昭和9)年11月、ベーブ・ルース率いるアメリカ選抜チームと対戦した全日本チームが谷津で練習試合を行った。この全日本チームを元に発足した「大日本東京野球倶楽部」が現在の「読売ジャイアンツ」の始まりであることから「読売巨人軍発祥の地」ともいわれる。
1958(昭和33)年には当時日本一の規模の海上ジェットコースターが始まるなど多くの人が訪れたが、1982年(昭和57)年12月21日に閉園。跡地の一部は谷津公園や谷津バラ園になっている。
同展示会開催のきっかけについて、郷土史家で同会のスタッフの明里さんは「地元の方に、元祖夢の国とも言えるすごい遊園地があったと聞いて以前から気になっていた。遊園地の本はあるが、谷津遊園単体の本がなく、市が保有している写真以外で一般市民の方が持っている写真や情報も価値があるのではないかと考えた。SNSで広く募集したところ、写真、思い出、8ミリフィルム映像など展示スペースが足りないほど多くの資料が集まった」と話す。
見どころについて「1960年ごろに園長だった父の写真を100枚近く提供してくれた方がいて、園長だからこそ撮影できた高潮時の写真なども珍しい。閉園前の大処分市の写真も、ゴーカートを抽選販売していたことが分かって面白い」とも。当時の8ミリフィルム映像も3人から提供があり、12月ごろに視聴会の開催を検討中だという。
明里さんは「谷津遊園に思い出がある方、近隣の方もぜひ来てほしい。谷津遊園の歴史や詳細をまとめた展示を開催予定なので、引き続き思い出や資料を募集している」と呼びかける。
開館時間は9時~21時。第2・第4火曜休館。入館無料。12月28日まで。